今年の春モデルは、例年よりも基本性能の強化など、小規模変更の傾向が強くなっています。全体的には携帯ノートパソコンが元気です。高性能な新機種や薄型軽量なウルトラブックを始め、SSDを搭載したモデルが増えています

春の新生活シーズンに向けて、国内外のパソコンメーカーから2012年春モデルとなる新製品が登場しました。春モデルの傾向をひと言でいうと、”マイナーチェンジが中心”となります。理由は二つほどあります。一つ目は、「Ivy Bridge」(アンビーブリッジ)と呼ばれる次期CPUの出荷が4月以降にずれ込んだこと。春モデルは引き続き、第2世代のCore iシリーズ(インテル)となる「Sandy Bridge」(サンディブリッジ)となります。

 二つ目は、昨年、タイ国内で発生した大洪水。タイでは、データを保存するのに欠かせないHDDを多数生産しています。災害後、HDDの供給量が減り、価格が上昇するなどの影響がありました。こうしたことが春モデルの一部に尾を引いています。このほか、今年後半には「Windows 8」という次期OSの登場も予定されています。こうした今後の予定を押さえつつ、気になる春モデルを10機種紹介します。

■携帯ノートへのSSD搭載が増加

 パソコン全体の中でも、一番勢いのある携帯ノートパソコンからみていきます。ここでいう携帯ノートパソコンとは、液晶ディスプレーが14型以下、本体の重さも1.5kg以下で、かばんに入れても持ち運びしやすいパソコンです。

 春モデルの注目は、パナソニックの「Let’s note SX1」です(図1)。ビジネスマンに人気がある定番の携帯ノートパソコンが、フルモデルチェンジしました。Let’s note S10シリーズの後継機種になります。液晶ディスプレーのサイズは12.1型と従来と同じですが、縦と横の比率が16対9に変更されています(従来機は16対10)。また、表示できる面積を示す解像度も、従来の1280×800ドットから、1600×900ドットに拡大。本体の厚さも25.4mmと、一般的な携帯ノートパソコン並みに薄くなり、かばんに収納しやすくなりました。従来機並みのスタンダードノートモデルのほか、実売16万5000円に価格を抑えたエントリーモデル(オフィスソフトなし)も、新たに用意されています。

 もう一つの注目は、富士通の「LIFEBOOK SH」シリーズ(図2)。こちらは13.3型液晶を搭載した携帯ノートパソコンです。先に述べたHDD問題なども影響してか、春モデルでは下位機の「SH54/G」にもSSDの搭載が拡充されました。SSDは、もともと読み込みと書き込みの速度がHDDより高速。さらに独自の高速起動機能「クイックスタート」によって、約6秒で元の作業画面を表示(復帰)できるようになりました。SSDはデータを保存できる容量が128GBしかなく、大量のデータを保存するには不向きですが、軽快な動作という点では期待ができます。

 このほか、インテルが提唱する薄型軽量の携帯ノートパソコン「Ultrabook」(ウルトラブック)にも新展開。前モデルにはなかった、マイクロソフトのOffice Home and Business 2010が付属するモデルが、台湾アスーステック・コンピューターの「ZENBOOK UX31E-RY256S」と(図3)、日本エイサーの「Aspire S3-951-F54D/F」から登場しています(図4)。

■スリム&長時間駆動、低価格テレビノートなど多彩な定番機

 続いては、スタンダードノートパソコン。主に14型から16.4型の液晶ディスプレーを搭載し、デスク据え置きで利用するタイプのパソコンです。最も売れるカテゴリーとあって、幅広いモデルが用意されています。そんなスタンダードノートパソコンの傾向の一つに「薄型軽量化と長時間駆動」があります。自宅内や会社内で持ち運べる重さと、カタログ値で5時間以上のバッテリー容量を持ち合わせているモデルです。

 代表的な機種は、ソニーの「VAIO S(SE)」シリーズ(図5)。フルHD(1920×1080ドット)の15.5型液晶ディスプレーを搭載しながら、本体の厚さが24.5mm、重さが2kgというスタンダードノートです。春モデルではラインアップが2モデルに強化。上位モデルとして、ブルーレイディスクドライブと、Core i7-2640MというCPUを搭載した「VPCSE29FJ/B」が登場しました。内蔵バッテリーで6.5時間駆動します。

 日本HPの「ENVY15」もバッテリー駆動時間8時間というスタンダードノート(図6)。同社のハイエンドノート「ENVY」シリーズの最新モデルです。本体にはアルミニウム合金とマグネシウム合金を採用。ダイヤル式のボリュームコントローラーをキーボードの右横に用意するほか、六つのスピーカーと二つのサブウーファーを搭載するなど、音質にもこだわっています。なおENVY15は、家電量販店で販売するモデルと、同社が運営する直販サイトで販売するモデルで性能が変わります。お薦めは直販サイトモデルの「ENVY15-3001TX 高速SSDモデル」。店頭モデルより1万円ほど価格は上がりますが、上位版のCPUが採用され、300GBと容量の大きなSSDを搭載。液晶ディスプレーの解像度もフルHDとなります。

 テレビチューナー内蔵は低価格モデルに注目。例えば、東芝の「dynabook Qosmio T551/T4E」(図7)。地上デジタル放送に対応したテレビチューナーを一つ搭載しています。チューナーが一つしかないため、2番組同時録画や録画中の裏番組視聴といった機能はありません。できるのは放送中のテレビ番組の視聴と録画だけです。CPUにもCore iより性能の劣る、Celeron(セレロン)を採用することで、実売価格は約11万円に抑えています。大画面テレビやブルーレイレコーダーの代わりに利用したいなら、テレビチューナーを二つ搭載したソニーの「VAIO F VPCF247FJ/S」などが選択肢に入ってきます(図8)。こちらの実売価格は約13万円です。

このほか、スタンダードノートパソコンの上位モデルでは、四つチップを使ってデータを同時に処理できる「クアッドコアCPU」が主流になりました。内蔵メモリーも8GBと大容量化が進んでいます。

■テレビ機能付きがそろう液晶一体型

 最後は、デスクトップパソコンです。現在の主流は、パソコン本体と液晶ディスプレーが一緒になった「液晶一体型デスクトップ」というタイプです。CPUはスタンダードノート並みですが、HDD容量が大きく、液晶ディスプレーも20~24型と大きくなります。また国内メーカーの液晶一体型デスクトップは、ほぼ全てがテレビチューナーを搭載しています。

 春モデルでの注目は、NECパーソナルコンピュータの「VALUESTAR N VN570/GS」。21.5型のフルHD液晶を搭載したモデルです(図9)。地上デジタル放送、BSデジタル放送、CS110度デジタルに対応したテレビチューナーを二つ内蔵します。

 新モデルで目を引くのは、テレビチューナーを活用する機能の強化です。「つぶやきプラス」機能として、ミニブログサービスの「Twitter」を使った録画機能が加わりました。自分のTwitterアカウントに、録画したいテレビ番組や時間帯をつぶやくだけで、パソコンが勝手に予約録画機能を設定してくれます。このほか、最大16倍の長時間録画にも対応しています。

 もう一台の注目機は、富士通「ESPRIMO EH30/GT」(図10)。低価格な液晶一体型デスクトップで、液晶サイズは20型。地上デジタルのみに対応するテレビチューナーを一つだけ搭載しています。春モデルでは、本体のデザインを一新しました。最大30度まで傾けられるチルト機能を用意しています。最小の奥行きは、最小で18cm。スタンダードノートよりも、場所を取りません。

 各カテゴリー別に、注目10機種を紹介しました。春モデルでは新CPUや新OSという、大きなトピックはありません。その代わりに、Windows 7をより快適に使える基本性能が広く備わっています。これまでの経験として、OS最終盤に登場したモデルは、そのOSを快適に使えるモデルとなってきました。快適なWindows 7パソコンを探しているのなら、各モデルの個性を見極め、自分に合ったパソコンを選んでみてはいかがでしょうか

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