生まれ変わったスリムな新Let’snote SX1は買いか

高い堅ろう性と長時間のバッテリー駆動が特徴のパナソニック「Let’snote」シリーズ。その中でもビジネスパーソンに人気のB5ファイルサイズの「Let’s note S10」がフルモデルチェンジし、「Let’snote SX1」として2月24日に発売される。
薄くなった新ボディーは、これまでの“厚いLet’snote”のイメージを一新。1600×900ドットの高解像度な液晶ディスプレイを採用するなど、従来機種とはガラリと変わっている。持ち味の長時間駆動や通常電圧版CPUの採用により処理性能の高さは健在だ。同社では「第4世代Let’snote」と位置づけている。Let’snote SX1の実力をみていこう。

堅ろう性はそのままに薄型化

前モデルのLet’snote S10は、軽さや堅ろう性に満足できても、モバイルノートとしては厚いボディーが気になった。このLet’snote SXでは、大幅に薄く、形もフラットになった。厚みは突起部を除くと25.4mm(1インチ)。S10シリーズの23.4~38.7mmと比べると大幅に薄くなっている。重さは約1.33kg(Lバッテリーー装着時)か約1.12kg(Sバッテリーー装着時)にまで軽くなった。

薄型化がよくわかるのが、堅ろう性を確保するために液晶天板部分にあるボンネットの部分だ。ボンネットの凹凸を低くし、負荷のかかりやすい部分は肉厚にして補強するという方法をとっている。これにより凹凸が大幅に減り、薄くフラットな形になっている。目立つ突起部分もなく、カバンからの出し入れがスムーズにできるようになった。

薄くなってもLet’snoteの特徴のひとつである堅ろう性はこれまでと変わっていない。Sシリーズと同様に動作した状態で76cmの高さから落下させる試験や、100kgfの加圧振動テストをクリアしている。こうした堅ろう性を保ったままフラットな薄型化に成功している。ボディーはマグネシウム合金製で液晶天板は全体的にカッチリした作りで安心感があり、質感も上々だ。

このSXシリーズはモデル数が多い。店頭販売モデルはスタンダードモデルとエントリーモデルに分けられる。スタンダードモデルは500GBのHDDを搭載モデルとそのOfficeつきモデル、128GBのSSD搭載モデル(Officeなし)がある。いずれもLバッテリとSバッテリーの2種類のバッテリーと、通常のACアダプターとミニACアダプターが付属する。エントリーモデルはCPUがCore i5-2450Mになり、Sバッテリーと通常のACアダプターのみが付属するなど価格を引き下げたモデル。OfficeつきモデルとOfficeなしモデルがある。このほか直販サイトではスペックを選択して購入できるほか、ハイスペックなプレミアムエディションが用意されている。

本体色は本体色はシルバーと黒の2色あるが、黒を選べるのはスタンダードモデルのHDD搭載タイプと、エントリーモデルになる。今回テストしたのはスタンダードモデルのSSD搭載モデルで、本体色はシルバーのみだ。

1600×900ドットの高解像度液晶

液晶ディスプレイはこれまでと同じ12.1型ワイド液晶を搭載する。光学ドライブ内蔵モバイルノートは13.3型液晶搭載が主流になっているが、Let’snoteSXはこれより一回り小型なのがメリットだ。

画質は色鮮やかとは言えないが、明るさ、コントラスト、発色のいずれも必要十分な画質が確保されている。表面に光沢のない液晶で色鮮やかさにはやや欠けるが、この方が外光の映り込みが少なく見やすい。液晶ディスプレイ部分は180度以上開くようになり、上から見下ろすような姿勢で使うときなどに使いやすくなっている。

最大の特徴は解像度が1600×900ドットと高いことだ。従来のSシリーズの1280×800ドットや、A4ノートに多い1366×768ドットと比べて約1.4倍の情報量を表示できる。12.1型クラスのモバイルノートでこの解像度は非常に高く、実際に見てみると表示はかなり細かい。文字が細かく見づらい場合は、ズームビューアーで一部を拡大表示して使える。

キーボードにはタイプミスを減らす工夫

キーボードは、Let’snoteJシリーズで採用されたリーフ型キーボードを改良したものが搭載されている。キートップの左上と右下の角に丸みが対けられていて、これにより指がひっかかりにくく、入力ミスが低減できるという。実際にテストしてみると、初めて使うキーボードにもかかわらず打ち間違いは少なく、快適に入力できた。また、ファンクションキーのキートップには緩やかなカーブがついていて押しやすくなっている。海外メーカーのモバイルノートやウルトラブックにはファンクションキーが小さく奥まっていて押しづらいものがあるが、そういった不満はまったくない。

キーピッチは実測で横が約19mm、縦が約16mm。縦方向がやや窮屈だが、それ以外は問題はない。キーストロークは2mmで、必要十分な深さだ。キータッチは軽めで打ちやすい。打鍵音は比較的静かであまり気にならなかった。ただし、Sシリーズにあったウォータースルー構造の全面防滴構造がなくなったのは少々残念なところだ。

通常電圧版のCPUを搭載

CPUは通常電圧版のCore i5-2540M(2.6GHz、ターボブースト時最大3.3GHz)を搭載している。2コア・4スレッドのCPUで、グラフィックス機能はCPU内蔵のインテルHDグラフィックス3000を利用する。ややハイスペックなA4ノートクラスのCPUだ。ファンの回転音は少し気になるが、本体の発熱はそれほど気にならずに使えるレベルだ。

メモリーは4GB。OSは64ビット版Windows 7 Professionalで、リカバリーで32ビット版に切り替えることも可能。なお、エントリーモデルはHome Premiumを採用している。記憶装置は500GBのHDDを搭載するモデルと128GBのSSDを搭載するモデルがある。テストしたのはSSDモデルのCF-SX1GETDRだ。HDDのような内部の可動部分がないので、衝撃や振動に強いというメリットがある。またデータを読み書きするスピードが速く、消費電流が低いのでバッテリー駆動時間の面でも有利だ。難点は容量あたりの価格が高いこと。HDD搭載モデルは容量が大きいのがメリットだが、駆動時間は若干短くなる。

ユニークな機能として、スマートフォンとの連携機能がある。スマートフォンとLet’snoteを無線LANやBluetoothで接続し、特定のフォルダーを同期できる。スマートフォンでのデータの閲覧・編集もでき、カバンの中にあるLet’snoteを手元のスマートフォンで操作してデータを確認するといった使い方が可能だ。

Let’snoteシリーズは以前から電源オフからの起動を高速化するクイックブート機能に対応している。この機能を有効にすると、SXの場合はテストしたSSDモデルで約9秒で起動できるという。実際に数回試してみたが10秒前後で起動できた。これぐらい速いのなら、スリープや休止状態を使わなくてもいいという人もいるだろう。

DVDスーパーマルチドライブを内蔵している。位置はパームレスト右側で、パームレスが上に開く独特の構造になっている。他のモバイルノートにように横にトレイが飛び出すことがないので、狭い場所で使うときに邪魔にならない。無線通信機能はIEEE802.11a/b/g/n対応無線LANのほか、通信事業者と別途契約が必要だが屋外でインターネットに接続できるモバイルWiMAX、Bluetooth2.1+EDRに対応する。

USBポートは3基搭載し、そのうち2基がUSB3.0に対応している。インテルの次期CPUと対応チップセットの登場によりUSB3.0への移行が進むと予想されるので、USB3.0ポートが2つあるのはうれしい改良点だ。このUSB3.0のうち一つは1.5A出力に対応している。一般の0.9A出力のUSB3.0や0.5A出力のUSB2.0に比べて、スマートフォンの充電時間が速い。電源オフ時の充電も可能だ。

2種類のバッテリーと2種類のACアダプターが付属

バッテリー駆動時間の長さは、Let’snoteシリーズの大きな特徴になっている。前述したように、スタンダードモデルにはLバッテリーとSバッテリーの2種類のバッテリーが付属し、ACアダプターも通常タイプのACアダプターとミニACアダプターの2種類が付属する。

カタログ値ではテストしたSSD搭載モデルの駆動時間と重さは、Lバッテリー装着時は約17時間駆動で約1.33kg。Sバッテリー装着時は約8.5時間駆動で約1.12kgとなる。利用する時間が短い場合は、Sバッテリーでも十分だろう。これでも多くのウルトラブックと同程度の駆動時間になっている。

ACアダプターは2種類付属する。通常のACアダプターは携帯ノート用サイズのもので重さ約200g。前機種のS10付属のものより待機電力が90%削減されているのが特徴だ。ミニACアダプターは約110gで、重さが約半分になる。

ただし電力の供給能力が低いため、使用中の充電はできず電源オフ時のみ充電ができるというものだ。専用のウォールマウントアダプターとACケーブルのどちらでも利用できる。なるべく手荷物を小さく軽くしたい場合は、Sバッテリー+ミニACアダプター+ウォールマウントアダプターがよさそうだ。

魅力が倍増してさらに使えるモバイルノートになった

Let’snote SX1は、従来モデルのよさを保ちながら薄型フラットなボディーになった製品だ。通常電圧版CPUによる処理性能、最長約17時間の駆動時間、高解像度液晶、入力ミスしにくいキーボード、2種類のバッテリーとACアダプターが付属するなど薄型ボディー以外にも魅力は数多い。想定実売価格は22万円前後と20万円を超えるが、それに見合うだけの魅力を持つモバイルノートだ。少し気になったのはキーボードから防滴機能がなくなったことだが、実用上あまり不便はないだろう。モバイルノートを探している人には従来モデル以上に人気の出そうなモデルだ。

最近は低価格でモバイルノートとしても使える「ウルトラブック」が登場してきた。しかしLet’snoteSXは、ウルトラブックより軽量でバッテリー駆動時間が長いこと、バッテリー交換やメモリー増設が可能なこと、堅ろう性の高さ、光学ドライブを内蔵していることなど上回る点が多数ある。パナソニックもウルトラブックの投入を示唆しているが、ビジネス用途や本格的なモバイル用途に使うのなら、こうしたモバイルノートの方がおすすめだ。

About battguide

ノートPCバッテリー超激安ノートPCバッテリー >> 新品互換ノートPCバッテリー、安心1年保障。PCバッテリー、デジタルカメラ バッテリー、 過放電及び過充電防止回路付、 送料無料。 弊社製品購入日から30日以内の場合は、良品との交換あるいは全額返金をいたします。返品及び交換品発送の送料は、弊社が負担いたします。
This entry was posted in ノートPCバッテリー and tagged . Bookmark the permalink.

Comments are closed.