液晶パネルの基本的な駆動方式

簡易な表示で済む電卓の表示部のようなものを除けば、多数のサブ画素を格子状に配列したドットマトリクスによる表示がLG LP156WH2 パソコン液晶パネル主流となっており、これによって変化に富んだ画像表示が行える。ドットマトリクス表示の多数のサブ画素ごとの電極に個別の配線を行うと、基板周縁部は配線で埋まり現実的ではなくなることから、縦横の2次元的な配線の交点でサブ画素の電極を制御するマトリクス配線方式が採られている。マトリクス配線では、基本的に液晶パネル外との配線数が縦線と横線の合計数で済む。

マトリクス配線で使用される2種類の信号線を以下に示す。
データ線
データ線はデータ信号線やX電極線とも呼ばれ、アクティブ・マトリクス駆動ではソース線とも呼ばれる。
アドレス線
アドレス線はアドレス信号線やY電極線とも呼ばれ、アクティブ・マトリクス駆動ではゲート線とも呼ばれる。
マトリクス配線には「単純マトリクス駆動方式」と「アクティブ・マトリクス駆動方式」がある。
単純マトリクス駆動方式
単純マトリクス (Simple Matrix) 駆動方式はパッシブ・マトリクス (Passive Matrix) 駆動方式(PM型)とも呼ばれ、X電極線とY電極線の交点の画素、またはサブ画素に電圧を印加し液晶を駆動する。単純マトリクス駆動方式では、液晶材料に270度まで旋回させる分子が選ばれたSTN (Super twisted nematic) がほとんど用いられる。XとYが非選択状態となると基本的には印加電圧は失われるため、画素が多数になるとその分だけ1つの画素に印加される時間は短くなるのであまり多数の画素は扱えない。1枚の画面、つまりフレームを表示する間の1つの画素、サブ画素に電圧を加える時間の比率をデューティ比と呼ぶ。XとYが同時に選択されていなくてもXとYのいずれかが選択されれば周辺の画素に無用の回路が出来て1/3程度の電圧が印加され、これはクロストークと呼ばれ、画面の滲みとなり、XとYにノイズが加わっても同様に無用な線が生じる。
アクティブ・マトリクス駆動方式の等価回路
太線の部分が電圧が加えられている。
横方向に走るゲート電極線と縦方向に走るソース電極線の交点にTFTと呼ばれるFETが配置され、2本のバス線がFETのゲートとソースに接続されている。FETのドレイン側にはサブピクセルとなる液晶電極、そしてコンデンサ(キャパシタ)がつながれ、これら2つの容量性素子の反対側は共通電極(コモン電極)になっている。ゲート電極線に加えられた電圧によってそれに接続されている1列分すべてのFETが”ON”動作となることで、ソースとドレイン間に電流が流れ、そのときソース電極線に加えられている各々の電圧が液晶電極にかかり、コンデンサには電圧に応じた電荷が蓄積される。ゲート電極線は1列分の充電を終えると電圧の印加は次の列に移り、最初の1列分のFETはゲート電圧を失って”OFF”動作となる。最初の1列分の液晶電極はソース電極線からの電圧を失うが同時にコンデンサに蓄積された電荷によって次にゲート電極線が選択されるまでの1フレーム分の時間、必要な電圧をほとんど維持できる。コンデンサの共通電極線は隣接するサブ画素のゲート電極線で代替することがある。このようにTFTをスイッチとして使ったアクティブ・マトリクス駆動方式では、ゲート電極線によって同時に多数のFETへ電圧を加えることができるので、膨大な画素にも対応でき、コンデンサによって表示を維持できる。
アクティブ・マトリクス駆動方式
アクティブ・マトリクス (Active matrix) 駆動方式はAM型とも呼ばれ、単純マトリクスのXとYの電極線と蓄積コンデンサに加えてアクティブ素子が各画素ごとに設けられている。一般的にはこのアクティブ素子に薄膜トランジスタ (TFT) が使われる。ガラスやプラスチック製のアレイ基板上に作られたTFTがスイッチング動作することで、XとYが非選択状態では蓄積コンデンサに蓄えられた電荷を出来るだけ保持するように働く。XとYが同時に選択されなければTFTによるスイッチは”ON”とならず画素、またはサブ画素への印加電圧に変化は生じないため、XとYに少しのノイズが加わってもそれはその時選択されていた画素だけに影響して他の部分には影響しない。XとYが非選択状態になると蓄積コンデンサに蓄えられた電荷が電圧の印加を担ってゆっくりと減少してゆくために、次にXとYが選択されて電荷を加えられるまで時間が稼げる。このため比較的多数の画素、またはサブ画素を1つのXとYの配列内に持つことができる。
TFT等のアクティブ素子を用いるLG LP156WH2 パソコン液晶パネル、1990年代末頃から生産技術の発展とともに低価格化し、2000年代に入ると高品質の表示が必要なテレビ受像機やコンピュータ・モニタ、携帯電話の表示部として広く普及しており、STN型の単純マトリクスを使った液晶パネルは減少傾向にある。
蓄積電極への配線を隣のゲート電極線と兼ねることで製造工程を簡略化した付加容量型を示したが、蓄積電極専用の配線を持った構造もある。
TFTを構成する半導体の組成には、普及したアモルファス・シリコンと、開発が進んで実用化段階にあるポリ・シリコンがある。画面サイズの比較的小さな液晶パネルでは、開口率を上げるために絶縁膜を挟んで隣のゲート線上との間にコンデンサを作る「付加容量型」が多い。
アモルファス・シリコン
アモルファス・シリコンは、大型のガラス基板に対して容易に成膜ができることから、高い生産性を誇っている。電子移動度は0.5-1.0cm2/Vs 程度である。
ポリ・シリコン
ポリ・シリコン (poly-crystalline Si) は、多結晶シリコンのことであり、アモルファス・シリコンに比べると電子移動度が30-300cm2/Vs (LTPS) と単結晶シリコン (MOS-FET) の600-700cm2/Vs には及ばないが画素表示用途では十分な性能が得られる。このポリシリコンTFTにはさらに製造プロセスの温度差によって高温ポリシリコン (High-temperature poly silicon, HTPS) と低温ポリシリコンがある。ポリシリコンによってガラス基板上に液晶を駆動するためのドライバー回路を作り込める利点がある。
高温ポリシリコン
高温ポリシリコン (High-temperature polycrystalline silicon, HTPS) は、1,000℃程度の高温に耐えられる石英ガラス基板上に成膜したアモルファス・シリコンを熱アニールして結晶化する(日本語ではポリシリコンだが、英語標記ではpolycrystallineになることに注意)。サファイヤ基板上にアモルファス・シリコンを結晶化させたものにSOS (Silicon On Sapphire) があり、プロジェクター等のLG LP156WH2 パソコン液晶パネル、比較的特殊なものに用いられている。
低温ポリシリコン
低温ポリシリコン (Low-temperature poly silicon, LTPS) は、安価な通常の無アルカリ・ガラス基板上に成膜したアモルファス・シリコンをレーザーアニール等による600℃以下の低温で多結晶化するものである。低温ポリシリコンは、結晶粒界によって電流が妨げられる割合が高いために高温ポリシリコンより電子移動度が低くなるが、それでもアモルファス・シリコンと比べれば数百倍のスイッチング動作が可能となり、特にCOG方式でのドライバ回路までガラス基板上に集積することで、接続点が少なくなるために信頼性が高まるが、額縁部分は少し広くなる[出典 5]。ただし、外部ICでは3.3-5Vでの駆動電圧なのに対して、低温ポリシリコンによる駆動回路では8-12V程度が必要となり、携帯機器が求める低消費電力化の点では逆行することになってしまう。HTPSより特性は劣るが安価なため、利用が進んでいる。
連続粒界シリコン
連続粒界シリコン (Continous grain silicon) は粒界を実質的になくすことで電子移動度を高めたもの。

 LG LP156WH2対応液晶パネル

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