一、PLCバッテリー 予防保全について
1.はじめに:
制御の中核を担うプログラマブルコントローラ(PLC)は、数多くの部品で構成されていますが、その部品は無期限に使
えるものでなく、耐用年数に合わせて交換することが必要です。
万が一、PLCが故障した場合、システム復旧に多大な時間を費やすとともに、稼働停止による損失を生じることになり
ます。
よって、PLCの故障を未然に防ぐために、予防保全の検討をお願い致します。
予防保全とは、摩耗故障(2項参照)が始まる少し前の時点で特定の部品を新品と交換することにより、故障を未然に
防ぐものです。
また、初期故障、偶発故障が発生する可能性もあるため、万が一の故障時の対応用に、予備品の準備の検討を併せ
てお願い致します。
2.耐用年数(寿命)について:(使用年数と故障発生)
一般に部品の故障は下図のように、初期故障、偶発故障、摩耗故障の 3 段階に分けられます。
初期故障期間:
製品の使用直後に部品不良や製造上での不具合など使用の初期に発見される欠陥であり、出荷検査などに
より除去に勤めています。
偶発故障期間:
機器の耐用年数以内に発生する故障であり、予想できない突発的な故障であることから、偶発故障と呼ばれ
ています。
磨耗故障期間:
摩耗故障は、劣化の過程や摩擦の結果として耐用寿命の終末付近で発生するもので、時間の経過と共に急
激に増加します。
二、予備品について:
1)予備品準備のお願い:
PLCの故障によるシステム・ダウンタイムの短縮のため、予備品の準備をお願い致します。
御使用のPLC構成にあわせて予備品の準備をお願いいたします。
2)予備品の処理
①保管について:
部品の静的寿命は温度と湿度に関連します。(低い方が良い)従って
保管条件は、常温:5~35°C(推奨:20~30°C)、常湿:30~80%R.H.(推奨:40~60%R.H.)で
直射日光の当たらない場所としてください。
又次の環境下での保管は避けてください。
(1) 結露状態になる環境
(2) 部品の酸化を避けるため有毒ガス(硫化水素、亜硫酸、亜硝酸、塩素、アンモニアなど)が充満する環境
(3) オゾン、放射線、紫外線が照射される環境
(4) 振動又は衝撃がある環境
②ユニットの保管期間について:
予備品(ユニット)を長期保存する場合、定期的(約3年に1回)に30分程通電し、アルミ電解コンデンサの機能維
持(電解液補修のための通電)、及び、動作確認することをお奨め致します。
ユニットにはアルミ電解コンデンサを搭載しているため、10年
注1
をめどに、定期的な保管期限の管理をお願い致
します。
注1:10年は、アルミ電解コンデンサの静的寿命:約15年、および、予備品としての一定の稼動期間を考え、
10年をガイドラインとしています。
(6項の詳細説明を参照願います。)
③メモリバックアップ用電池の保管期間について:
電池はPLCに取り付けず、別保管としてください。
又plc バッテリーの保管期間は2年となっていますので、定期的に保管期限の管理をお願い致します。