富士通「LIFEBOOK WU1/L」14型IGZO液晶搭載Ultrabook

富士通は、14型液晶を採用するUltrabook「LIFEBOOK UH90/L」を発売した。3,200×1,800ドットと超高解像度表示に対応する14型のIGZO液晶を採用する点が最大の特徴で、これまでにない映 像表示能力を持つUltrabookとして注目を集めている。今回、LIFEBOOK UH90/Lをベースとした、直販サイト「富士通WEB MART」専売のカスタムメイドモデル「LIFEBOOK WU1/L」を試用する機会を得たので、ハード面を中心に紹介しよう。

3,200×1,800ドット表示対応の超高解像度液晶を採用

「LIFEBOOK WU1/L」(以下、WU1/L)の最大の特徴は、なんといっても液晶パネルだ。これまで、14型以下の液晶を搭載する富士通製のノートPCは、ほとんど の製品で表示解像度が1,366×768ドットにとどまっていた。富士通初のUltrabookとして登場した、「LIFEBOOK UH75/H」も同様で、14型と他のUltrabookよりひとまわりサイズの大きい液晶を採用しつつ、表示解像度が1,366×768ドットとなって いた。すでに他社から13.3型以下でフルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の液晶を採用するUltrabookが登場していたことを考える と、見劣りしていたのも事実だ。

しかし、WU1/Lでは、液晶サイズは従来と同じ14型ながら、表示解像度が3,200×1,800ドットと、フルHDを大きく凌駕 する超高解像度表示に対応。表示解像度は、フルHDと比べて約2.78倍、従来モデルの1,366×768ドットと比べると実に約5.49倍にも達してい る。また、ドットピッチも262ppiと、10.1型フルHDの218ppiよりも高精細。フルHDを超え、いきなりここまでの高解像度液晶を採用すると いうのは、かなり思い切った判断だという印象を受ける。

また、この液晶パネルは、シャープのIGZO技術を採用したパネルとなっている。東芝のdynabook KIRA V832も超高解像度液晶パネルを搭載しているが、搭載液晶の種類は非公開。国内でIGZO液晶の採用をはっきり明言するUltrabookは、この WU1/Lが初だ。

この液晶は、薄型、軽量、高輝度、広視野角、高色純度、超高解像度パネル”フルフラットファインパネル”とされているが、実際の表示 品質もかなり優れる。視野角は十分に広く、VA方式やIPS方式の液晶パネルとほぼ同じ視野角が確保されているという印象。圧倒的な高解像度表示のため、 肉眼では画素が全くと言っていいほど認識できず、デジカメ写真などを表示する場合でも、本来のクオリティをほとんど損なうことなく表示可能。下に、 WU1/Lと、13.1型フルHD液晶を搭載する「VAIO Z SVZ1311AJ」で同じ画像を全画面表示し、その一部を撮影した画像を掲載しているが、フルHDで確認できる画素が、WU1/Lではさらに大きく拡大 しなければ確認できないことがわかる。

加えて、発色も非常に鮮やかだ。比較のVAIO Zは広色域液晶を採用しており、非常に鮮やかな発色が特徴だが、WU1/Lの液晶の発色も、ほとんど遜色ないレベル。光沢パネルのため、外光の映り込みが 気になる場面はあるものの、それ以外で液晶の表示品質に不満を感じる場面はほぼ皆無と言っていいだろう。

液晶表面には、10点マルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルを標準搭載。パネル表面は「スーパーグライドコーティング」と呼ばれる特殊表面処理が施されており、指が引っかかることなくスムーズなタッチ操作が可能となっている。

富士通 液晶パネル

文字サイズは標準で150%に設定

WU1/Lの液晶は、圧倒的な高解像度表示に対応することで、デスクトップ領域も非常に広大となっている。表示文字サイズを100%に設定している 状態では、一般的なWebページであれば横に3ページを並べて表示できる。実際に、PC Watch、AKIBA PC Hotline!、AV Watchの3誌を横に並べて表示してみたが、まだ若干の余白ができるほど。これだけの表示領域があれば、複数のアプリを同時利用も非常に快適と言える。

ただし、あまりにも表示解像度が高いため、表示文字サイズが100%では非常に小さくなってしまう。アイコンの文字は1mmに満たない小ささで、視認性が大きく低下してしまう。個人的な印象では、文字サイズを100%に設定した状態では、快適な利用は難しいと感じた。

そういったこともあって、WU1/Lでは標準で表示文字サイズが150%に設定されている。その状態でも、表示される文字サイズは 13.3型フルHD液晶での100%表示時の文字サイズより小さいが、アイコンの文字はかなり大きくなり、まずまず快適な利用が可能という印象だ。

ただ、利用者によっては、これでもまだ文字サイズが小さいと感じる可能性もあるだろう。その場合には、カスタム設定でさらに文字サイ ズを大きくすればいいが、カスタム設定での変更は少々面倒。そこで活用したいのが、「かんたんサイズ設定」アプリ。これを利用すれば、簡単に文字サイズを 150%よりも大きくして利用できる。このアプリには、「情報量優先」、「バランス優先」、「見やすさ優先」と3種類の文字サイズ設定が用意され、情報量 優先では144%、バランス優先では165%、見やすさ優先では211%にそれぞれ設定される。設定変更時にはサインアウトが必要となるが、ワンタッチで 文字サイズを変更できるため、便利に活用できるだろう。

横幅は13.3型液晶搭載ノートクラス、薄さも際立つ

WU1/Lの特徴は液晶だけではない。本体のサイズや形状にも特徴がある。

本体サイズは、329.9×229.9×9.2~15.5mm(幅×奥行き×高さ)となっている。特に、高さは9.2~15.5mm と、タッチパネルを搭載していることを考えるとかなり薄いと言っていいだろう。ちなみに、試用機では内蔵ストレージがSSDだったが、HDDも搭載可能と なっている。そして、HDDを搭載するUltrabookとして世界最薄となっている。

フットプリントも、14型液晶搭載ノートとしてはかなりコンパクトだ。特に、横幅の狭さは特筆すべき部分。WU1/Lは、液晶左右の ベゼル幅が実測で10mmを切る狭さとなっており、これによって本体の横幅を13型液晶搭載ノートクラスに納めているというわけだ。ちなみに、筆者が利用 している13.1型液晶搭載のVAIO Z SVZ1311AJは、横幅が約330mmと、WU1/Lとほぼ同じだ。

ただし、本体の奥行きは229.9mmと、やや大きい。液晶の上下のベゼル部は、左右に比べてかなり広く取られているため、もう少し 縮めることも可能なように感じるが、薄型化と横幅を狭くしたことで、液晶上下に配置するパーツが多くなり、それだけ幅を広く取る必要があったものと思われ る。とはいえ、極端に大きいわけではなく、携帯性は失われていない。

本体重量は、公称で約1.39kgとなっており、実測では1,360gであった。13.3型液晶搭載のUltrabookでは、タッ チパネルを搭載しつつ約1,060gの軽さを実現する「VAIO Pro 13」など、より軽い製品も存在するが、実測1,360gを超える重量の製品も数多く存在する。それらより大型で高解像度のタッチパネル液晶を搭載しつ つ、1.4kgを切る軽さを実現している点は、十分に魅力がある。実際、手にしても、重いと感じることはない。

そして、これだけの薄型軽量ボディを実現しつつ、優れた堅牢性を兼ね備えている。天板と底面にはマグネシウム合金を採用するととも に、底面は内蔵部品の凹凸に合わせて厚みを変えることにより、強度を高めている。また、底面とキーボード面双方を箱状にし、2個の箱を側面の継ぎ目なく重 ね合わせることで、ねじれやたわみへの耐性を高める「超圧縮ソリッドコア」構造を実現。こういった技術によって、薄型軽量ながら、約200kgの天板全面 加圧試験をクリアする優れた堅牢性を実現している。

本体デザインは、かなりシンプルだ。底面は側面付近が斜めに切り取られ、本体の薄さを強調。また、富士通 液晶を閉じた状態では本体と液晶部 がぴったり重なるとともに、側面はほぼ垂直に切り取られた、ほぼ1枚板のような形状となる。“刀”をコンセプトに、極力無駄をそぎ落としたデザインという ことだが、シンプルな中にもシャープな印象を受けるデザインと感じる。また、カラーは今回試用した鮮やかな赤を基調とした「サテンレッド」に加え、天板と 底面がブラック、キーボード面がシルバーの落ち着いた印象の「スパークリングブラック」の2色が用意されるが、個人的にはサテンレッドの色合いにかなり魅 力を感じた。

ただ、ここまで無駄をそぎ落としたシンプルなデザインにこだわるなら、天板のロゴももう少し目立たないようにしてもらいたかったよう に思う。特に今回の試用機のサテンレッドでは、シルバーのメーカーロゴがかなり目立ち、せっかくのデザイン性がやや損なわれているように感じた。おそら く、カラーがスパークリングブラックならここまで目立たないように思うが、サテンレッドでは、もう少し目立たないカラーにするだけでも大きく印象が変わる はずなので、この点は今後の考慮を期待したい。

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