-コンピュータのメンテナンス-
学校のコ ンピュータも個人所有のコンピュータも、使い方によっては、いろいろと問題が発生します。細かいメンテナンス方法をあげていけば、きりがありません。しか し、ちよっと気をつけていけば、快適にコンピュータは動き続けます。そこで、コンピュータの取り扱いやメンテナンス作業例についてここで少し紹介してみま す。
初級編
①クリックしすぎない。
ク リックのしすぎは初心者がよくやる失敗です。一つのアプリケーションを立ち上げようとダブルクリックしたとき、コンピュータの反応が遅いために、つい何回 もクリックし直すことがあります。これは、同じアプリケーションを重複して立ち上げることになり、フリーズの原因となります。
②できるだけ強制終了しない。
フリーズした後は、Ctrl + Alt + Delete を押すことで回復させていきます。 しかし、それさえ反応しなくなったときは、強制的に電源を落とすしかありません。その際、ハードディスクが作動してな いことを確認してください。また、再び立ち上げるときは、発生した熱をさますために、10秒ほどたってからスイッチを入れるようにしてください。強制終了 は、ハードディスクの寿命を縮めます。頻繁に行うと、ハードディスクが機械的に故障し、取り替えなくてはいけなくなります。
③標準のメンテナンスウイザードを定期的に使う。
ウインドゥズには、トラブル予防のメンテナンスウィザードがあります。これらを定期的に実行することで、トラブルが予防できます。
メンテナンスウィザードは、
スタート → プログラム → アクセサリ → システムツール
からたどって実行してください。
・デフラグ
断片化した、プログラムを整理する。
・スキャンディスク
壊れたファイルを早期発見し、他のファイルやフォルダに影響しないように修復する。
・ディスククリーンアップ
知らないうちに作られてたまってしまう一時ファイルを削除して、ハードディスクの圧迫を防ぐ。
④デスクトップをできるだけシンプルにする。
コンピュータのシステムを安定な状態で動かしているメモリ内の領域(システムリソース)に余裕を持たせるためには、混雑した画面が大敵です。動きを早くしたり、フリーズしにくくするためには、デスクトップをシンプルな画面にしておきましょう。
・アクティブディスクトップを切る。
画面での右クリック → プロパティ → Web
から、「アクティブディスクトップにWebコンテンツを表示」のチェックをはずしておく。
・重たい壁紙を使わない。
デジカメで撮った写真など、大きなデータの画像を壁紙に使うのは、メモリの消費が多くなります。
・デスクトップにアイコンをやたらにたくさん作らない。
デスクトップにアイコンをたくさん作ったりファイルを保存すると、メモリ消費が多くなります。必要ないショートカットアイコンは片づけ、保存したファイルは、きちん とハードディスクかフロッピー等に移動しておきましょう。
⑤複数のアプリケーションやウインドゥを立ち上げない。
最もシステムリソースを消費するのは、アプリケーションを立ち上げたときです。便利だからと同時に多くのアプリケーションを立ち上げると、すぐにフリーズしてしまうので、気をつけましょう。
中級編
①各種サウンドを「なし」に する。
各種サウンドを最低限の設定にすることで、メモリやリソースの消費を押さえ、コンピュータへの負担を小さくできます。
スタート → 設定 → コントロールパネル → サウンド
から設定画面を出して、設定してください。
②不要なアプリケーションを削除する。
使 用期限の過ぎた体験版や使っていないアプリケーション、同じ機能を持つ複数のア プリケーションをそのままにしておくとメモリ競合によるフリーズやハード ディスクへの負担となります。できるだけ削除しましょう。ただし、アンインストールメニューのあるものは、それに従います。ないものは、次のようにたどっ て実行してください。
スタート → 設定 → コントロールパネル →アプリケーションの追加と削除
③ゴミ箱を空にする。
いらなくなったファイルを削除しても、ファイルはゴミ箱に送られているだけなので、ハードディスクを使っているのに変わりありません。ときどきゴミ箱を右クリックして、「ゴミ箱を空にする」を実行してください。
上級編
①常駐ソフトを最小限にする。
便利な機能の多いメーカー製のコンピュータは、もちろん、普通でもコンピュータが 起動している間に、ずっと立ち上がった状態の常駐ソフトは意外に多いものです。この数を減らすことが、最も効果の高いリソース領域の確保につながります。
スタート → ファイル名を指定して実行 → 「msconfig」と入力 → OK →システム設定ユーティリティ → スタートアップを選択
常駐させたくないソフトを選択してチェックをはずしましょう。ただし、次のソフトははずしてはいけません。
「internet.exe 」「SystemTray」「ScanRegistry」「LoadPowerProfile」
「PCHealth」「StateMgr」(ウインドウズMeの場合)
その他キーボードドライバー、ディスプレイドライバー、ウイルス監視ソフト、メモリ監視ソフトなどがあれば、それらも残しておきましょう。
②スタートアップで起動するアプリケーションを減らす。
スタートアップで自動的に立ち上がるソフトが多いと立ち上がりが遅くなったり、リソース不足に陥ることになります。次の操作をして解決しましょう。
スタート → プログラム → スタートアップを右クリック → エクスプローラ → スタートアップに必要のないアプリケーションのショートカットを削除する
③レジストリの最適化をする。
OSやアプリケーションなどパソコン上の重要なデータは、レジストリというデータベースに格納されています。これが肥大化していると、起動や終了時間が遅くなるので、時にはレジストリの最適化をしてください。
スタート → ファイル名を指定して実行 → scanreg.exe/fix と入力(/の前に 半角スペース) → レジストリーチェッカー起動 → 「はい」→ 終了後再起動
(*scanreg.exe/fixの代わりにscanreg /fixやscanregw /fixの場合もあります)
④オンラインソフト(フリーソフト)を利用する。
インターネット上には、コンピュータのメンテナンスができる様々なフリーソフトが 公開されています。それらをダウンロードして、利用するのも一つの手段です。
おすすめソフト例(詳しい使い方は、それぞれのソフトを解凍してできるテキストやドキュメントにある解説を読んで使ってください。)
・メモリを解放するソフト
たとえ ば、「メモリの掃除屋さん」(作者天野晃治氏)のように、メモリの使用が100%になるとき、または100%になる前の設定した%(たとえば95%)の時 点で、メモリを自動的に解放してくれるソフトです。それによってコンピュータがフリーズするのを防ぎます。同様のソフトで「メモリークリーナー」のように手動や時間設定によって解放するものがあります。できれば、常駐ソフトとして、スタートアップに加えておくと良いです。
・デスクトップアイコンをすっきり見えなくするソフト
デスクトップアイコンは少ない方が、パソコンの動きが良くなります。普段は最小限のアイコンにしておき、必要なときにアイコンを出せるようにするソフトが「スッキリ画面」(作者K&T企画)です。説明テキストを読んでうまく活用してください。
・全タスクを終了させるソフト
コン ピュータは、様々なソフトの働きによって、ビジー状態からフリーズしたり、終了時にフリーズしてしまうことがあります。終了時にフリーズする原因は、一概 にはいえませんが、一つの要因として、常駐ソフト終了の準備ができないままコンピュータが終了しようとして、フリーズしてしまう場合やいろいろなインター フェイスの競合があります。
電源を落とす前や、デブラグ、スキャンディスク、または新しいアプリケーションのインストールをする前など、一度にすべての作業を終了させたいときに使います。メモリの解放にも役立ちます。
(例)「Kazuasa’s All Kill」(作者Kazuasa氏)
他にもいろいろな場面で使えるメンテナンスソフトが多数あります。自分のコンピュータに必要なものを考えて利用していくと良いでしょう。
・デフラグを使いやすくするソフト
パソコンを 立ち上げると、自動的に立ち上がる常駐ソフトなどでじゃまをされてでフラグができないことがあります。「すっきりデフラグ」(作者いなそふと)を使うと、 パソコンが再起動するとき、常駐ソフトが立ち上がる前にデフラグを行ってくれるので、確実にデフラグが実行できます。さらに、設定によっては、スキャン ディスク実行後に自動的にデフラグを行い、実行後自動的に電源を落とすこともできるので、寝る前に実行させておけば、とても便利です。
・ハードディスクが機械的に壊れるのを防ぐソフト
電 気が入っていても、ハードディスクに長時間アクセスがないと、ヘッドのスライダ部分に潤滑油がたまってしまいます。その後、アクセスすると、スライダが 引っかかり機械的な故障を引き起こしてしまうこともあります。特にシステムを入れていない外付けのハードディスクなどは、長時間アクセスしないこともあり 壊れやすくなっています。そこで、「HDDノンクラッシュ」(作者soon氏)を使用すれば、一定時間でヘッドを動かしクラッシュを未然に防いでくれます。
・ゴミ箱から削除してしまったデータを復元できるソフト
データは、 削除してもゴミ箱に移動するだけですが、ゴミ箱からも削除したデータは 普通、元に戻りません。しかし、「復元」(作者加藤高明氏)を使えば、上書きされ てないデータであればある程度復元することができます。逆に復元されては困る場合(パソコンを下取りに出す場合など)は、「完全削除」(井上博計氏)を 使ってファイルを完全に削除することができます。
・レジストリを快適に保つソフト
ドライブのデフラグは、定期的に行っている人がほとんどだと思いますが、レジストリは下手に行うとパソコンが壊れてしまいます。「レジコン」(作成者HALT氏)を使えば、レジストリを簡単な操作で安定した状態に保つことができます。
・ウインドゥズを安全で簡単にカスタマイズできるソフト
デスク トップ画面からアイコンを消したり、起動や終了時の動作設定、その他様々なカスタマイズをするためには、レジストリの書き換えが必要となるが、壊れてしま う危険性が多い。「窓の手」(作者猪川正巳氏)を使うと、素人でも、安全にカスタマイズができます。また、同時にインストールされる「不要ファイル掃除 機」は、使わないバックアップファイルや不要になったファイルを検索し削除することができ、とても便利です。
以上でパ ソコンのメンテナンスについての説明を終了します。人によってメンテナンス方法はいろいろあると思いますが、自分で実際にやってみて、良い方法をいろいろ 探ってみてください。個人のパソコンや学校のパソコンを使うとき、正しい使い方をしていつまでも買ったときの快適さが維持できれば幸いです。