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バッテリーの充電方法

はじめに、放電状態を正確に把握する事が肝心です。 無負荷状態での電圧を測定します。セルが満足に回らずエンジンを始動できない症状で電圧を測定すると11.71Vでした。(満充電状態は12.6V以上) ご参考・・・ 放電終止電圧(取り出しうる電気を全て取り出した状態)では、約9.6~10.5V程度です。0.0V=空っぽではございません。 比重を計測できる場合は、比重計で比重を計測します。 ここでは1.170でした。 完全充電状態1.280の一般的な自動車バッテリーの場合、電解液温度20度で比重と電気残存量の関係は、おおよそ以下のようになります。 比重 1.280 残存電気量–100% 比重 1.230 残存電気量– 75% 比重 1.180 残存電気量– 50% 比重 1.130 残存電気量– 25% 比重 1.080 残存電気量– 0% CCAテスターで計測してみると「要充電」の判定となりました。この程度の過放電(バッテリー上がり)でしたら、充電することで十分に性能の回復が見込めます。 仮に、性能の回復が見込めないバッテリー寿命のケースや、内部ショートなど製品不良のケースでは、このCCAテスターでは「バッテリー不良」と判定されます。 当店で充電テストをした充電器の数々です。バッテリー容量と充電器の性能は正比例の関係にありますので、充電しようとするバッテリー容量に見合った充電器が必要になります。 ご参考・・・ バッテリー容量に対して、充電器の性能が低い(充電電流が小さい)と、内部抵抗に負けて充電電流が入らない、いつまでたっても満充電にならないといった症状になることがあります。 充電器(ここではセルスターCC1100DXを使用)にかけてやります。アンメーターも正常に右にふれます。仮に製品不良や大きな過放電の場合は、アンメーターがふれない、又は異常なふれかたをするといった症状が出ます。 電圧、比重から電気残存量はおよそ40%と推測できますので、充電してやる電気容量(Ah・・・この場合約60%)を Ahアンペアアワー【充電電流 A×充電時間 h】 で計算しますが、充電電流は充電が進行するに従い小さくなっていきますし(アンメーターは徐々に左にふれていく)充電電流が熱エネルギーに変換されてしまう分もありますので、大体机上の計算の2~5倍ほどの充電時間が必要になります。 充電器のアンメーターは、電圧の上昇を感知して連動しているものですので、あくまでも目安になります。満充電は比重で判断します。 ご参考・・・ 電圧の上昇と比重の上昇にはタイムラグがあり(電圧が上がってから比重が上昇してくる)大きく放電させるほどそのタイムラグは大きくなります。そのため、満充電の判断は、充電器のアンメーターや電圧値ではなく、比重で行うほうが正確です。 放電終止電圧約9.6~10.5Vを下回って放電させてしまった場合(ルームランプの消し忘れで長期間放置してしまった場合など)ユーザー様向けの一般的な充電器では充電が難しくなります。 大きな過放電バッテリーは、電解液濃度が薄くなって内部抵抗が増大してしまっているため、充電電流がこの抵抗に負けてしまうためです。 ここでのバッテリーは、ライトを点けっ放しにしてバッテリーが空になっても電気を取り出し続けたもので、電圧を計測してみると6.92Vでした。 こうした過放電バッテリーの比重を計測してみると、1.100以下と電解液濃度が極端に薄く水のようになってしまっていることがわかります。 もちろん、電気残存量も0%(完全に空っぽ)です。 … Continue reading

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