みなさんバッテリーがどうして電気を溜めて置けるのか?
そして、どしてクルマのエンジンを掛けるほどの電気を出せるのか?
不思議に思ったことはないですか?
ここではそんな疑問を解決するためにバッテリーの構造を説明していきます。
それと、ちょっとだけ見栄が張れるように(彼氏、彼女、友達、同僚、先輩、後輩、旦那さん、奥さん、お父さん、お母さん、子供たちに・・・)バッテリーの大きさや容量の見方をお教えします。
バッテリーをカー用品店の店員さんに選んでもらうのもミスがなくて良いですが、自分でバッテリーが選べたらちょこっとだけ自慢できちゃいますよ。
Battery
バッテリーは世界各国共通です。
見てくれがちょっと違ったりもしますけど、基本が分かっていれば輸入車のオーナーさんも困ることはありませんよ。
■バッテリーは『セル』と呼ばれる槽が6個組み合わさって構成されています。
呼び方は『6セル』です。
バイクで6Vのバッテリーを使ってるものもありますが、その場合は3セルで構成されています。
1セル当たり2V(ボルト)発生します。
2V×3セル=6V
2V×6セル=12V
という計算になります。
バッテリーの内部の構成部品は・・・
極板と呼ばれる板を数枚組み合わせたものを電槽に入れてセルが作られます。
このセルが直列に6個つなげられたのが12Vのバッテリーです。
極板の間にはセパレーターと呼ばれる短絡(内部ショート)防止用の板と極板の作用物質の脱落防止用ガラスマットが挟み込まれてます。
この極板の枚数が多くなるほどバッテリーの容量も大きくなります。
セルが納められてる電槽は合成樹脂の容器で、12V用は6個の部屋に分けられています。
ふたは合成樹脂の一枚ぶたで、電槽に接着又は熱溶着されていて、電解液が隣のセルに移動したり、外部に漏れたりするのを防いでいます。
ふたには電解液を補充したり比重計を入れたりするための液口があります。
液口から電解液が漏れたり、ほこりなどの異物が混入しないように液口栓が取り付けられています。
液口栓には小さな穴があいていて、そこからバッテリ内部で発生する水素ガスを放出しています。
■補足
通常バッテリーはエンジンルーム内にあることが想定されています。
エンジンルーム内は走っていると常に空気が循環しているので水素ガスが溜まったりしません。
しかし、輸入車や国産車でもいくつかの車種ではバッテリーがリヤシートの下や、トランクルームに設置されてるものがあります。
その場合、通常のバッテリーを使うと水素ガスが溜まって何かの拍子に引火爆発する恐れがあります。
そのような使用の車種では密閉タイプのバッテリーを使ってください。
たぶんですけど、メーカーから密閉タイプのバッテリーが指定されていると思います。
マツダロードスターなどの国産車でトランクルームに設置が設定されている車種だと、専用のバッテリーが出てるはずなので、専用のバッテリーの使用を心がけてください。
バッテリーは希硫酸を使っていたり、水素ガスが発生したりするので、取り扱いには十分注意が必要です。
電解液(バッテリー液)
電解液は、精製水もしくは蒸留水に硫酸を混合して、希硫酸にしたものを使っています。
電解液の比重は、完全充電時、液温20℃で1.280のものが使われてます。
比重とは・・・水を1とした時の電解液の比重です。
つまり、水の1.280倍ってことです。
液温20℃とは・・・暑くもなく寒くもない常温と解釈しといてください。
ってことは・・・暑かったり寒かったりするとバッテリーに余計な負担がかかるってことです。
放電
バッテリーに電気回路を接続して電気エネルギーを取り出すことを放電と言います。
この時流れる電流は、極板と希硫酸によって起こる化学反応によって発生します。
上の科学方式でもわかるように、放電時には水を生成するので電解液は薄まります。
このために、反応が弱まり必要な電圧を発生できなくなり、端子間の電圧は下がり電解液の比重も低くなります。
■右のグラフはこの状態を表したものです。
このままさらに放電を続けると最終的には発生電圧は0Vになりますが、実際にはここまで放電する前にバッテリー上がりになってしまうので実用的ではありません。
放電限度として放電終止電圧を定めています。
放電終止電圧は1セル当たり1.75Vです。
1.75V×6セル=10.5V
10.5Vになったら完全放電状態と認識してくださいね。
充電
充電は放電とは逆に、バッテリーに電気を供給する作用で、放電によって硫酸鉛に変わった極板から硫酸が分離して、電解液の比重は元に戻ります。
極板の作用物質も陽極板は二酸化鉛に、陰極板は海綿状鉛にもどって再び放電できる状態になります。
充電中のバッテリー電圧は、充電が進むにつれて電圧は次第に上昇して、ついには最高値に達します。
その後はいくら充電しても電圧はほとんど上昇しなくなります。
充電によって上昇したバッテリー電圧は、充電電流を断つと電解液濃度に相当した電圧まで下がって安定します。
容量
バッテリーの容量とは・・・完全に充電されたバッテリーを一定の電流で連続放電した時に、バッテリー電圧が放電終止電圧になるまでに取り出すことのできる総電気量を言います。
放電電流と放電時間との積で表され、単位にはAh(アンペア・アワー)が使われます。
例えば・・・5.6Aの電流で放電終止電圧になるまで5時間の放電ができるとすれば、そのバッテリーの容量は・・・
5.6(A)×5(h)=28(Ah)
と、言うことになります。
逆に40Ahと書かれてるバッテリーは
40(Ah)÷5(h)=8(A)
8Aを5時間放電できる能力があるバッテリーと言うことになります。
ここで不思議に思った人もいるのではないでしょうか?
どーして5hで計算するのか?
それは・・・
放電率
バッテリーの容量は取り出す電流の大きさによって変化します。
なので、バッテリーの容量を表すには一定の放電率によることが必要になります。
この放電率は、完全に充電された状態のバッテリーの電圧が、放電終止電圧になるまでの時間を決めて、決められた時間内に放電終止電圧になるためにはどのくらいの電流で放電すれば良いのか?
を、定めたものです。
自動車バッテリーは5時間で放電終止電圧になるためには放電電流を何アンペアで流せばよいのか?
と、決まっています。
これを5時間率と呼びます。
欧州車用バッテリーは20時間率が使われています。
オートバイ用のバッテリーは10時間率が使われています。
市販されているバッテリーの箱やカタログ、バッテリー自体に○○Ahと記載されているはずなので、探してみてください。
自己放電
バッテリーが外部に仕事をすることなく時間の経過とともに電気エネルギーを失っていく現象を自己放電と言います。
つまり、電気製品に電力を使うことなく勝手にバッテリーの充電が減っていくんです。
これは、電解液(バッテリー液)の中に異金属が混入してしまい、その異金属と極板の間で放電が行われてしまう現象です。
それと、バッテリー表面が湿気や雨水などで湿ってしまい、+端子と-端子の間に電気回路ができてしまい、勝手に放電してしまう現象です。(リーク)
自己放電の程度は、電解液の比重と温度が高いほど多くなり、また、自己放電の経過日数が増すにつれて一日当たりの自己放電量は少なくなっていきます。
電解液の比重と放電量の関係
バッテリーが放電すると化学反応によって水が生成されることは書きましたね?
従って放電を続けると電解液の比重は放電量に比例して低下します。
なので、比重を測ることで放電量を知ることができます。
完全充電時の比重が1.280のバッテリーについて比重と放電量との関係を表すと右の表のようになります。
サルフェーション
サルフェーションとは・・・
電解液が不足して極板やセパレーターが露出して、硫酸鉛が極板に固着して、充電しても化学反応を示さなくなり電圧が回復しなくなる現象を言います。
さてここからみなさんお待ちかねのバッテリーの見方の説明です。
■形式の見方(自動車用バッテリー)
55B24Rというバッテリーを例にして説明します。
■55の意味
バッテリーの性能ランクを表しています。
バッテリーの総合性能(始動性能・容量)を表しています。
数値が大きくなるにつれて性能が良くなります。(50未満は2刻み。50以上は5刻みで表します。)
55よりも65、65よりも75、75よりも85と、言うように、数字が大きくなればなるほど性能が上がっていきます。
■24の意味
バッテリーの長さ。
単位=cm
24の場合24cm。
■Rの意味
+、-端子の極性位置を表している。
バッテリーを上から見て、プラス端子を手前にして、プラス端子が右にくるとR。
左にくるとL。
下の図を参考にしてみてください。
バッテリーを選ぶときは総合性能が良いほうがもちろん良いのですが、バッテリーが納まるスペースがクルマによって決まっているので、そのスペースからはみ出さない大きさのものを選ばなければいけません。
また、クルマによっては高さが関係してくるものもあります。リヤシートやトランクルームにバッテリーが設置されてる場合とかは特に注意が必要です。
さらに、端子の「L」「R」を間違えてしまうと、バッテリーに繋がる配線が届かなくなる場合が多く、これも注意が必要になります。
「55B24R」の場合では、変えて良いところは、55B24R→65B24R または、50B24R というように、頭の部分の性能を決める数字だけとなります。
数字が大きくなれば容量と性能が良くなり、数字が小さくなれば容量と性能が劣ります。
製品不良あるいは不具合による返品、交換
弊社製品購入日から30日以内の場合は、良品との交換あるいは全額返金をいたします。返品及び交換品発送の送料は、弊社が負担いたします。
E-mail: order@laptopbattery.jp
URL: www.laptopbattery.jp
Tel: 50-6864-8076 Fax: 50-6864-8076