使用上の注意
使用に際しては、メーカが設定する保証駆動時間や再充電に必要な時間を把握し、余裕を持った使用計画を心がける。
取り扱い説明書や添付文書をよく読み、メーカが推奨するバッテリやケーブルを使用する。バッテリや充電器を水や湿気に曝さないよう注意が必要である。何らかの異常を感じた場合でも、電気的なリスクを回避するためカバーを外したり開けたりしない。
保管上の注意
バッテリは保管温度により品質に影響を及ぼすことがあるため、保管条件を取り扱い説明書や添付文書で確認し保管する。バッテリは直射日光が当たらないように室内で保管する。
メンテナンスについて
メーカが設定する保証駆動時間は、新品のバッテリで室温にてテストおよび最大電流値などから算出した時間となり、通常使用においてはメーカの推奨する定期的な充電が必要条件
となる。過充電、過放電は、バッテリ自体の寿命を短くするので、取り扱い説明書や添付文書に従い定期的に充電を行う。バッテリ交換時期をよく見える所に明記し、期限内に交換する。
後述する、バッテリの種類と特徴を把握し、バッテリの種類に合ったメンテナンス計画をたてることが重要である。
駆動時間について
メーカが設定する保証駆動時間は、新品のバッテリで室温にてテストおよび最大電流値などから算出した時間であり、可能であれば現在使用されている機器の設定条件下で実際の駆動可能時間を確認することを薦める。
メモリ効果
ニッケル・カドミウム電池(Ni-Cd)などに見られる、容量が減少したように見える現象。これらのバッテリに対し、十分に放電していないうちに継ぎ足し充電を繰り返されると、十分な放電がされていないのに起電力が低下する現象が起き、容量が減少したように見える劣化現象のことをメモリ効果という。対策として、起電力の低下に関わらず放電を続け、十分に放電させた後に充電させる(リフレッシュ)ことを行うことを勧めるが、不必要に頻繁に行うとバッテリーの寿命を短縮することになるので、注意が必要である。
主なバッテリの種類と特徴
鉛蓄電池
他の種類のバッテリに比べてコストパフォーマンスが良く、微小電流から大電流まで広い範囲で放電が安定していることや、メモリ効果がないことから、広く利用されている。過放電が発生すると性能が大きく低下し、回復しない特徴があるので、過放電させないよう注意が必要である。
ニッケル・カドミウム電池(Ni-Cd、ニカド電池)
過放電状態で放置しても、充電により容量が回復する。低温時の電圧降下が少ない。などの特性があり、使い勝手の良いバッテリとして広く使用されているが、有害物質であるカド
ミウムを含有していることからニッケル水素電池への置き換えが進んでいる。
この電池は、自己放電が大きくメモリ効果も大きいので日常のメンテナンスが重要となる。
ニッケル・水素電池(Ni-MH)
有害物質であるカドミウムを含有しないことから、Ni-Cd 電池に代わり幅広い用途で使用されている。低温時の電圧降下が少なく、Ni-Cd 電池よりもメモリ効果は小さい。過放電に弱く、完全放電すると劣化し容量の低下が起こる。
また、
自己放電も大きいので、
日常的に充電状態のチェックをすることが重要である。
リチウムイオン電池
自己放電が他の電池と比べて非常に少なく、メモリ効果がないという特徴があり、近年急過放電・過充電時に異常発熱の危険性があり、保護回路が必須となる。また、大電流放電には適さず、低温時の電圧降下が他の電池に比べると大きいという特徴も持っている。